コーンスネークの温度は、ホット側28〜32℃、クール側20〜25℃が目安で、夜は数度下がってよいとされています。数値だけならコーンスネークの飼い方の基本データ表にまとめてあるとおりです。ただ、実際にケージを組むときに迷うのは、その温度をどうやって作り、どうやって確かめるか、という部分です。熱源をどこに置くか、サーモスタットの感知部をどこに付けるか、温度計は何個をどこに置くか、夜は熱源を切ってよいのか、UVBは要るのか。この記事では、獣医のケアシートと動物保護団体(RSPCA)の飼育ガイドに書かれている範囲で、温度の作り方と測り方を順番に整理します。
目安の温度と「勾配」の考え方
温度の目安は、ホット側28〜32℃、クール側20〜25℃です。夜は数度下がってよいとされています。出典によって少し幅があり、RSPCA(動物保護団体の飼育ガイド)はバスキングゾーンを28〜30℃、クール側を20〜24℃としています。資料によって1〜2℃の幅があります。
数値と同じくらい大事なのが、ケージの中に温度の「勾配」を作るという考え方です。動物保護団体の飼育ガイドは、片側に熱源を置いてバスキングゾーンを作り、反対側は涼しくして、ヘビが移動して体温を調整できるようにする、としています。ヘビは自分で体温を作れないため、暖かい場所と涼しい場所を行き来して、そのときどきの体温を選びます。ケージ全体を28℃にするのではなく、片側が暖かく、反対側が涼しい状態を作るのが、この記事全体の前提です。
この勾配は、次の章で説明する熱源の置き方で作ります。熱源はケージの片側に寄せて置き、反対側には置きません。
温度の作り方:上からの熱源+サーモスタット
ホット側の温度は、上から照らす保温球で作るのが、動物保護団体の飼育ガイドが示している基本の形です。保温球はケージの片側に、下向きに取り付けます。反対側には置きません。そして、保温球にはガードを付けます。ヘビが熱源に触れてやけどをすることと、球が破損することの両方に備えるためです。
保温球に限らず、どの熱源にもサーモスタットを付けます。これは獣医のケアシートと動物保護団体の飼育ガイドの両方に共通する前提です。サーモスタットは、温度を感知する部分(プローブ)を置いた場所の温度をもとに熱源を制御します。保温球の場合、プローブは、ヘビがいる高さの床材のすぐ上に置きます。
ベビー用など小さいケージの場合は、動物保護団体の飼育ガイドは別の形を示しています。ケージの片側の下にパネルヒーターを敷き、on/off式のサーモスタットにつなぎ、プローブはホット側に置いて、30℃に設定する、というものです。この場合もパネルヒーターは片側だけです。全面に敷くと、涼しい側がなくなり、勾配が作れません。
パネルヒーターで注意したいのは、サーモスタットにつながずに使うことです。獣医のケアシートは、制御していないパネルヒーターは腹部をやけどさせるおそれがある、としています。パネルヒーターを使うときは、必ずサーモスタットを挟んでください。
測り方:2か所をデジタルで、毎日
熱源とサーモスタットを付けたら、次は測ることです。ここで押さえておきたいのは、サーモスタットは正確ではない、という点です。動物保護団体の飼育ガイドは、サーモスタットの設定値をそのまま信じるのではなく、温度計で毎日測って記録することを求めています。サーモスタットが30℃に設定されているからといって、ケージの床が30℃になっているとは限りません。
温度計は、デジタル温度計を、クール側とバスキングゾーンの2か所に置きます。2か所の数字を毎日並べて記録すると、勾配が保たれているかを日々確かめられます。
温度計の種類について、獣医のケアシートは、シール式ではなく、デジタルのプローブで温度勾配を測るように、としています。プローブ付きのデジタル温度計なら、感知部を測りたい場所に置いて、そこの温度を読めます。温度と湿度を一緒に読めるタイプもあり、湿度の管理はコーンスネークの脱皮で整理しています。
もうひとつ、動物保護団体の飼育ガイドは、赤外線温度計で毎日確かめる方法も挙げています。測りたい場所に向けて、その場所の温度を読む道具です。置きっぱなしのデジタル温度計に加えて、バスキングゾーンの床やシェルターの上など、気になる場所の温度をその場で確かめる、という使い方になります。
デジタル温度計を2か所に置き、毎日記録する。それに加えて、赤外線温度計で気になる場所を確かめる。この形にしておくと、サーモスタットの設定値と実際の温度がずれたときに気づけます。
夜の温度と置き場所
夜の温度については、動物保護団体の飼育ガイドが、一般的な室温であれば夜は熱源を切ってよい、としています。夜は16〜20℃まで下がってよい、というのが示されている数値です。
室温がそれより下がる場合は、光を出さない熱源を使います。飼育ガイドが挙げているのは、セラミックヒーターや、適切に設置したパネルヒーターです。夜に光を出す熱源を使うと、後の章で触れる「夜は全部消す」という照明の考え方と合わなくなります。夜の熱源にも、日中と同じくサーモスタットを付けます。
置き場所も、温度に直接関わります。動物保護団体の飼育ガイドは、すきま風、ラジエーターなどの熱源、直射日光から離して置くように、としています。理由は、ケージの温度が変わるためです。窓のそばや暖房器具の近くにケージを置くと、サーモスタットと温度計で管理しているつもりでも、外からの影響で温度が動きます。
UVB と照明時間
UVBについて、獣医のケアシートは、必須ではないが推奨が増えている、としています。動物保護団体の飼育ガイドは、より具体的に、低出力(2〜7%)の爬虫類用UVB管を、ホット側寄りに、ケージの長さの1/2〜1/3にわたって、反射板つきで設置する形を示しています。
UVBの強さを表す指標にUVI(紫外線指数)があります。この数値は出典で割れています。RSPCA(動物保護団体の飼育ガイド)は、バスキングゾーンでUVI 1.0、日陰で0になるように、としています。一方、獣医のケアシートは、バスキングゾーンでUVI 2.0〜3.0程度としています。どちらが正しいと決める根拠は出典にないため、この記事では両方をそのまま並べます。
アルビノなど一部のモルフは、UVBを低めにします。動物保護団体の飼育ガイドは、最大でUVI 0.7としています。飼っている個体がアルビノ系のモルフであれば、この数値を目安にしてください。
UVBは、付けたら終わりではありません。動物保護団体の飼育ガイドが挙げている注意点は3つです。UVBは距離で弱まること。時間とともに出力が落ちること。そのため、UVIメーターで定期的に確認し、メーカーの指示にしたがって交換すること。UVB管にもガードを付けます。
照明時間は、12時間つけて12時間消すのが目安です。動物保護団体の飼育ガイドはタイマーで管理することを勧めており、獣医のケアシートも12時間のサイクルを示しています。夜は照明を全部消します。前の章で、夜の熱源に光を出さないものを選ぶと書いたのは、この点とつながっています。
まとめ
コーンスネークの温度について、この記事で整理した内容をまとめます。
- 目安はホット側28〜32℃、クール側20〜25℃。夜は数度下がってよい。RSPCA(動物保護団体の飼育ガイド)はバスキング28〜30℃、クール側20〜24℃としており、資料ごとに1〜2℃の幅がある
- ケージ全体を暖めるのではなく、片側に熱源を置いて勾配を作り、ヘビが移動して体温を調整できるようにする
- 上からの保温球は片側に下向きに付け、ガードを付ける。どの熱源にもサーモスタットを付け、保温球のプローブはヘビがいる高さの床材のすぐ上に置く
- ベビー用など小さいケージは、片側の下にパネルヒーター。on/off式のサーモスタットで、プローブはホット側、30℃設定。制御していないパネルヒーターは腹部をやけどさせるおそれがある
- サーモスタットは正確ではない。デジタル温度計をクール側とバスキングゾーンの2か所に置き、毎日記録する。シール式ではなくプローブ式で測る。赤外線温度計で毎日確かめる方法もある
- 一般的な室温なら夜は熱源を切ってよく、16〜20℃まで下がってよい。それより下がるなら、セラミックヒーターなど光を出さない熱源を使う
- ケージは、すきま風、ラジエーターなどの熱源、直射日光から離す
- UVBは必須ではないが推奨が増えている。低出力(2〜7%)のUVB管をホット側寄りに、ケージの長さの1/2〜1/3、反射板つきで。UVIはRSPCAがバスキングで1.0、獣医のケアシートが2.0〜3.0程度と割れている。アルビノなど一部のモルフは低めで、RSPCAは最大0.7
- UVBは距離で弱まり、時間とともに出力が落ちる。UVIメーターで定期的に確認し、メーカーの指示で交換する。照明は12時間つけて12時間消し、夜は全部消す
温度の数値そのものはコーンスネークの飼い方の基本データ表と同じです。この記事で足したのは、その数値をどう作り、どう測るか、という部分です。やけどのような跡があるなど、体の様子で気になることがあるときは、自己判断で対処を続けず、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。