爬虫類を迎える前に「許可や届出が要るのか」が気になる人向けに、環境省の動物愛護管理法のページから読み取れる範囲を整理します。法律の解説ではなく、何をどこで確認すればよいかの見取り図です。

この記事で確認した範囲

この記事の根拠は、環境省が公開している次の5つのページです(いずれも2026年10月15日に取得)。

この5ページに書かれていることだけを扱います。条例、外来生物法など別の法律の中身、個別のケースが規制に当たるかどうかの判定は扱いません。法令は改正されるので、最新の内容は環境省のページと、お住まいの都道府県または政令指定都市の動物愛護担当部局で確かめてください。

メモ

環境省の飼い主向けページで、個人がペットとして飼う場面に「許可」という言葉が出てくるのは、後述する特定動物の部分だけでした。ただしこれは「確認した5ページの範囲ではそうだった」という意味で、「登録や届出は一切不要」と言い切るものではありません。自治体ごとの取り決めは出典に含まれていないため、最終確認は窓口で行ってください。

爬虫類は動物愛護管理法の「愛護動物」に入る

許可の話の前に、飼い主の責任の話があります。動物愛護管理法の概要のページでは、罰則の対象となる「愛護動物」を次のように定めています。

  1. 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
  2. その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

人が飼っている爬虫類は、犬や猫と同じ「愛護動物」に入ります。同じページには、愛護動物をみだりに殺し又は傷つけた場合は5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金、給餌や給水をやめる、疾病や負傷を適切に保護しない、排せつ物の堆積した施設で飼養するなどの虐待と、遺棄については1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処される、と定められています。爬虫類がこの枠の外にいるわけではない、という点は押さえておきたいところです。

飼い主向けのページには「守ってほしい5か条」があります。

  1. 動物の習性等を正しく理解し、最後まで責任をもって飼う
  2. 人に危害を加えたり、近隣に迷惑をかけることのないようにする
  3. むやみに繁殖させない
  4. 動物による感染症の知識を持つ
  5. 盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにする(マイクロチップ、名札、脚環などの標識)

なお、法の概要のページでマイクロチップの装着と所有者情報の登録が義務化されたとされているのは「販売される犬及び猫」についてで、爬虫類に同じ義務があるという記述は確認した5ページにはありませんでした。

5か条の1つ目は、種ごとの寿命や大きさを先に知ることから始まります。爬虫類の種類の選び方で7種を同じ物差しで並べています。

許可が要るのは「特定動物」:愛玩目的の飼養は禁止されている

飼い主向けのページで「許可」が登場するのは、特定動物の項目です。特定動物とは、人に危害を与える恐れのある危険な動物とその交雑種のことで、令和2年6月1日から愛玩目的等での飼養が禁止された、とされています。例外として、同日時点ですでに愛玩目的で許可を得て飼養していた特定動物などは、継続して飼養できるとされています。動物園や試験研究施設などの特定目的で飼う場合には、都道府県知事又は政令指定都市の長の許可が必要、と書かれています。

つまり、環境省のページで特定動物に結びついている「許可」は、動物園や試験研究施設などの特定目的の飼養と、すでに飼っていた個体の継続についての話です。「爬虫類を飼うのに許可が要るか」という問いに対しては、「許可が出てくるのは特定動物で、その特定動物は愛玩目的の飼養が禁止されている」という形で答えが返ってきます。

特定動物リストに載っている爬虫類

環境省の特定動物リストのうち、爬虫綱の部分を書き出します。

分類 指定されている範囲
かめ目 かみつきがめ科 全種(特定外来生物であるカミツキガメを除く)
とかげ目 どくとかげ科 全種
とかげ目 おおとかげ科 コモドオオトカゲ、ハナブトオオトカゲ
とかげ目 にしきへび科 アメジストニシキヘビ、オーストラリアヤブニシキヘビ、インドニシキヘビ、アミメニシキヘビ、アフリカニシキヘビ
とかげ目 ボア科 ボアコンストリクター、オオアナコンダ
とかげ目 なみへび科 ブームスラング属、ヤマカガシ属、タキュメニス属、アフリカツルヘビ属(テロトルニス属)の全種
とかげ目 コブラ科 全種
とかげ目 くさりへび科 全種(特定外来生物であるタイワンハブを除く)
わに目 アリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科の全種

このサイトで飼い方を扱う7種(ヒョウモントカゲモドキ、ニシアフリカトカゲモドキ、クレステッドゲッコー、フトアゴヒゲトカゲ、コーンスネーク、ボールパイソン、アオジタトカゲ)の名前は、この爬虫綱のリストには出てきません。にしきへび科は5種が個別に名指しされていて、ボールパイソンは含まれていません。

ただし、リストの作りに目を向けてください。コブラ科やくさりへび科のように科ごと全種を指定しているものと、にしきへび科やボア科のように種を個別に指定しているものが混ざっています。「同じニシキヘビの仲間だから大丈夫」という読み方はできません。迎えたい種が決まったら、その種名でリストを引くのが確実です。ボールパイソンの飼い方やコーンスネークの飼い方を読む前に、この一手間を挟んでおくとよいでしょう。

別の法律で規制される種がある

リストの注には、特定外来生物法の飼養規制との重複を避けるため、カミツキガメとタイワンハブが特定動物から削除されている、と書かれています。特定動物リストに載っていなくても、別の法律で規制されている種がある、ということの例です。外来生物法の中身はこの記事では扱いません。注では、具体的な手続きは地方環境事務所等に問い合わせるよう案内されています。

買う時に見えるもの:販売店・ブリーダーの登録と、対面での説明

飼う側の許可とは別に、売る側には義務があります。それは買う側からも見えるので、迎える時の確認材料になります。

第一種動物取扱業者の規制のページによると、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を営利目的で業として行う場合は、都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受けなければならない、とされています。対象は実験動物と産業動物を除く哺乳類、鳥類、爬虫類なので、爬虫類を販売するペットショップやブリーダーもこの登録の対象です。登録せずに営業した場合は100万円以下の罰金に処せられる、と書かれています。

爬虫類の販売には対面説明が必要

同じページの「販売時の対面説明」では、哺乳類・鳥類・爬虫類を販売する場合、あらかじめ購入しようとする人に対して、事業所でその動物の現状を直接見せる(現物確認)とともに、特徴や適切な飼養方法等を対面で文書を用いて説明する(対面説明)ことが必要、とされています。例として、インターネット上のみで売買契約を成立させることは禁止されている、と書かれています。

飼い主向けのページでは、販売者は販売前に購入者へ健康状態、飼い方、標準体重・体長などを説明しなくてはならない、としています。実物を見ずに、飼い方の説明も受けずに契約だけが進むなら、そこで一度立ち止まる材料になります。

登録している業者かを見分けるポイント

飼い主向けのページの「動物取扱業者を選ぶときのポイント」から、爬虫類に関係する部分を表にします。

見る場所 登録を受けている業者の場合
広告 登録番号、動物取扱責任者、動物取扱業の種別などが記載されている
店内 登録番号や営業の種類、登録期限などを記した標識を提示している
スタッフ 登録番号や営業の登録期限などを記した名札(識別票)をつけている
購入前 飼い方や健康状態などの説明がある
施設 ケージが狭すぎたり明るすぎたりせず、排泄物で汚れたり悪臭がしたりしていない

同じページには、購入する場合は登録している業者であることを確認するように、と書かれています。入手先ごとの費用はレオパの入手先とお迎えにまとめていますが、どの入手先でも上の表は同じように使えます。迎えた後の住まいははじめてのケージ選びを参照してください。

売る・預かる側に回る時は別の話

飼っているうちに、繁殖した個体を売る、知人の爬虫類を預かる、と立場が変わることがあります。

第一種動物取扱業者の規制のページには、代理販売やペットシッター、出張訓練などのように、動物の所有や飼養施設がない場合も規制の対象になる、と書かれています。販売の業には販売を目的とした繁殖も含まれ、保管の業の例としてペットホテル業者やペットのシッターが挙げられています。

営利目的でない場合にも別の区分があります。第二種動物取扱業者の規制のページでは、動物の譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示を非営利で業として行う人のうち、人の居住部分と区分できる飼養施設で一定の頭数以上を飼養または保管する場合は、都道府県知事または政令指定都市の長への届出が必要、とされています。例は動物愛護団体の動物シェルターや公園等での非営利の展示で、届出せずに業を行った場合は30万円以下の罰金に処せられる、と書かれています。

どこからが「業」に当たるのか、その線引きは環境省のページには書かれておらず、この記事でも判定はしません。売る側、預かる側に回る可能性が出てきたら、先に自治体の動物愛護担当部局に相談するのが、出典から読み取れる手順です。

迎える前の確認チェックリスト

ここまでの内容を、迎える前に自分で確かめる順番に並べ直します。

  1. 迎えたい種の名前が特定動物リストの爬虫綱に無いか。科ごとの全種指定と種の個別指定が混ざっているので、種名で引く
  2. 別の法律で規制されている種ではないか。カミツキガメやタイワンハブのように、特定動物リストから外れていても別の法律の対象になっている種がある
  3. 入手先が第一種動物取扱業の登録を受けているか。広告や店内の標識、名札の登録番号で見る
  4. 実物を見せてもらい、飼い方の説明を対面で受けられるか。インターネット上のみでの売買契約の成立は禁止されている
  5. 都道府県・政令指定都市の動物愛護担当部局に確認したか。条例など自治体ごとの取り決めは、この記事の出典に含まれていない

メモ

このチェックリストは環境省の5ページから読み取れる範囲で組んだものです。すべてに当てはまらなかったとしても、それだけで確認が済んだことにはなりません。最後は自治体の窓口に置いてください。

まとめ

  • 人が飼っている爬虫類は、動物愛護管理法の「愛護動物」に入ります。虐待や遺棄の罰則が定められていて、犬や猫と同じ枠の中にいます
  • 環境省の飼い主向けページで、個人の飼養について「許可」が出てくるのは特定動物の項目だけです。特定動物は令和2年6月1日から愛玩目的等での飼養が禁止されています
  • 特定動物リストの爬虫綱に、このサイトで扱う7種の名前はありません。ただし科ごとの全種指定と種の個別指定が混ざっているので、迎える前に種名でリストを引くのが前提です。別の法律で規制される種もあります
  • 爬虫類を販売する側には第一種動物取扱業の登録と対面説明の義務があり、登録番号の表示や実物を見せた上での説明があるかは買う側からも確認できます
  • 売る・預かる側に回ると、営利なら第一種の登録、非営利でも条件によっては第二種の届出の話になります。線引きは自治体の動物愛護担当部局へ

この記事は環境省の5ページを読んだ範囲で書いています。条例を含む最新の取り決めは、環境省のページと、都道府県または政令指定都市の動物愛護担当部局で確かめてください。種の選び方は爬虫類の種類の選び方に、迎えてからの世話はレオパの飼い方などの各種の記事にまとめています。