コーンスネークは、ペットとして飼われるヘビの中でも穏やかな部類とされ、やさしく定期的なハンドリングによく耐えるといわれています。ただ、「慣れる」といっても、持ち方や時間、やめどきを間違えれば、ストレスを与え、もがいたり咬んだりする原因になります。この記事では、コーンスネークをどう持つか、1回に何分までにするか、嫌がっているサインをどう見てやめるか、という「触る時」の手順に絞って、動物保護団体の飼育ガイドと獣医のケアシートに書かれている範囲で整理します。給餌後や脱皮の前後といった「触らない時期」の詳しい説明は、それぞれの記事に任せます。温度やケージなど飼育全体の基本はコーンスネークの飼い方にまとめてあります。

コーンスネークはハンドリングに慣れるか

慣れることができます。動物保護団体の飼育ガイドは、コーンスネークは定期的なハンドリングに慣れることができる、としています。獣医のケアシートも、やさしく定期的なハンドリングによく耐え、ペットのヘビの中でも穏やかな部類だと書いています。

ただし、条件があります。決してつかまないことです。つかまれることはヘビにとってストレスになり、もがいたり咬んだりする原因になります。

なお、慣れるまでに何日かかるか、何回で慣れるか、といった数字は出典に示されていません。この記事でも数値は置きません。見るのは日数ではなく、次の章以降で扱う「嫌がっていないか」の様子です。

触る前に:時期を選ぶことと、手を洗うこと

持ち方の前に、その日が触ってよい日かどうかを確かめます。コーンスネークには、触らないほうがよい時期が3つあります。どれもこのサイトの別の記事で扱っているので、ここでは要点だけ挙げます。

  • 迎えてから最初の1週間:新しい環境に慣れる期間で、必要以上に触りません。この期間の過ごし方はコーンスネークの飼い方にまとめてあります
  • 給餌後48時間:食べたあと48時間は触りません。吐き戻しを避けるためです。給餌の流れの中での位置づけはコーンスネークの餌を参照してください
  • 脱皮の前後:この時期のヘビは防御的になるため、触りません。脱皮の見分け方や湿度の整え方はコーンスネークの脱皮にまとめてあります

時期が問題なければ、次は手です。餌を扱った直後の手で触ることは避けてください。手に餌のにおいが残っていると、ヘビがそのにおいに反応して咬もうとすることがあります。餌を扱ったあとは、手をよく洗い、においを落としてから触ります。

手洗いは衛生の面でも必要です。ヘビはサルモネラ菌を持っていることがあります。ヘビや飼育用品を触る前と後には、手を洗ってください。ハンドリングのたびに前後で手を洗う、と決めておくと、餌のにおいの問題と衛生の問題を同じ手順で防げます。

持ち方:下からすくい上げて、体全体を支える

持ち方の基本は、上からつかむのではなく、下からすくい上げることです。動物保護団体の飼育ガイドが示している手順は次のとおりです。

  1. 片手を、頭に近い側の体の下に入れる
  2. もう片方の手を、尾に近い側の体の下に入れる
  3. そのまま下からすくい上げ、体全体を支える

ポイントは、2か所で、下から、体全体を支えるという3点です。上から握ると、それは「つかむ」持ち方になり、前の章で触れたとおりストレスと、もがいたり咬んだりする原因になります。

持ち上げたあとも、握るのではなく、下から支える形を保ちます。

出典には、手の動かし方の細かい手順や、首や顔のまわりでの扱いについての記述はありません。この記事でも、書かれている「下から2か所で支える」以上の作法は置きません。

時間は10〜15分:体の芯の温度が下がるから

1回のハンドリングは、10〜15分程度が通常は安全とされています。理由は、体の芯の温度が下がらないようにするためです。ケージの外にいる間、ヘビは飼育環境の温度から離れています。長く出しているほど、体の芯の温度が下がっていきます。

この10〜15分は目安で、室温によって変わります。室温が低ければ、それより短くします。飼い方の記事の基本データの表にも、同じ値を「室温による」という条件つきで載せてあります。

やめるサイン:首がS字になったら、その日はやめる

ハンドリングの最中に見ておくのは、ヘビが脅威を感じていないかどうかです。コーンスネークは脅威を感じると、頭を後ろに引きます。上から見ると、首の部分がS字の形になります。これが嫌がっているサインです。

このサインが出たら、その日のハンドリングはやめて、別の機会にします。動物保護団体の飼育ガイドの書き方も「その日はやめて、別の機会に」であり、少し待ってから続ける、ではありません。S字が出ている状態で続けることは、ストレスをかけ続けることになります。

ハンドリングの周りで、あわせて守っておきたいことが2つあります。

  • ほかのペットとは離しておく。飼育ガイドは、これまでどれだけ信頼できたとしても、と念を押しています
  • 脱走に注意する。コーンスネークは「脱走の名人」と呼ばれる種類です。ケージの外に出している時間は、その種類を蓋のない場所に出している時間でもあります。ハンドリングが終わったらケージに戻し、蓋とロックを確かめてからケージを離れます

なお、咬まれてしまった場合の対処については出典に記述がないため、この記事では扱いません。

嫌がるサインとは別に、元気がない、餌を食べないなど、体調そのものが気になる様子があるときは、ハンドリングの問題として考えず、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。

まとめ

コーンスネークのハンドリングについて、この記事で整理した内容をまとめます。

  • コーンスネークは定期的なハンドリングに慣れることができる。ただし決してつかまない。つかむとストレスになり、もがいたり咬んだりする原因になる
  • 触る前に時期を確かめる。迎えて最初の1週間、給餌後48時間、脱皮の前後は触らない。餌を扱った手では触らず、ヘビや用品を触る前後に手を洗う
  • 持ち方は、片手を頭に近い側、もう片方を尾に近い側の体の下に入れ、下からすくい上げて体全体を支える
  • 時間は1回10〜15分程度。体の芯の温度が下がらないようにするためで、室温が低ければ短くする
  • 頭を後ろに引き、上から見て首がS字になったら、その日はやめて別の機会にする。ほかのペットとは離し、ケージに戻したら蓋とロックを確かめる

持ち方、時間、やめどきは、どれも人の側で守れることです。触らない時期の詳しい説明はコーンスネークの餌とコーンスネークの脱皮にまとめてあります。